2019年8月 牧師感話 ~思うこと・感じること~

8 月を迎え、日によっては予想最高気温が35~36℃と出て、実際に全国的にもそのくらいの温度が連日続きました。これからさらに暑さが増していくでしょう。皆様の体調が支えられ、健康の弱さの中にある方々には回復があるように祈ります。

国分寺キリスト教会では8 月4 日の日曜礼拝に、これからアメリカのカリフォルニア州南部にあるサンディエゴに宣教師として派遣される柏倉秀吉宣教師をお招きしました。「宣教師」と言いますと、歴史で学ぶ「ザビエル」などのように、「海外から日本にキリスト教を伝えに来られた人たち」と私たちは考えますが、今は日本から海外に派遣されている宣教師がたくさんいますし、宣教師を派遣する地域教会、宣教団体はたくさんあります。私は今から20年程前に、カリフォルニア州のサンディエゴとロサンゼルスのちょうど中間地点あたりの少し内陸に入ったマリエタホットスプリング(Murrieta Hot Springs)という小さな町【サンディエゴからではキロメートルに換算すると約1100 キロ、車でもフリーウェイで約1時間の距離】にある聖書学校に2年半ほどいましたので、南カリフォルニアの風景や気候が思い起こされますし、いわゆる西海岸には多くの日本人、日系アメリカ人がたくさん住んでいます。

聖書の「使徒の働き」(使徒行伝)を読み進めていくと、どのように世界宣教が展開されていったのか、その原点を見ることができます。特に1章にはイエス・キリストと弟子たちとのやりとりが書かれています。しかも1章8節でイエス・キリストは大切な宣言をなさいました。

「しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。」

ここに出てくるカタカナの名前は地名を指しています。聖霊の力を受けて、イエス・キリストの福音(ふくいん)【十字架上の死と復活】を宣べ伝える人として遣わされていくということでした。そしてその福音を信じる者の群れこそが信仰共同体である教会です。そして、教会はその信じる者たちの存在によって拡大していったのです。ユダヤ人だけでなく、ユダヤ人が差別していたサマリア人、さらには時代を越え、場所を越えて現代の私たちにも良き知らせである福音が伝えられ、罪を悔い改め、イエス・キリストを救い主として信じる信仰によって、罪を赦され、まことのいのちが与えられ、神の子どもとされる特権が与えられるという知らせです。罪を告白し、互いに赦し合い、キリストの愛で愛し合う彼らの中に、聖霊は働かれ、彼らを通して、福音が伝えられていきました。当時の弟子たち、それ以降の信仰者も含めてこの8節で約束されたように、地の果てにまでも、「イエス・キリストの証人」となっていきました。「証人」という言葉には「殉教」という意味があるようです。まさに彼らは自分のいのちをもって、いのちがけでキリストを証言しました。

宣教師ザビエルに関しては、世界史や歴史書を読むと詳しく書かれています。私の手元には「まんが キリスト教の歴史 世界篇」(樋口雅一著・中村敏監修/いのちのことば社)があります。それを読むと、ザビエルが1542年、最初はインドのゴアに到着し、どのような思いをもって活動したのか、1547年マラッカで日本人のアンジロウに出会い、1549年ザビエルは鹿児島に上陸したことが書かれています。人間の働きの素晴らしさではなく、宣教師のみならず、多くの信仰者たちを通して、神様は働かれるということが分かります。世界に神様の偉大さと愛と救いのご計画が届けられ、あなたにも今、届けられているのです。この聖書のことばを自分へのメッセージとして受け入れてくださいますようにお祈りいたします。