2月 牧師感話 ~思うこと・感じること~

早くも2月に入りました。1月下旬から2月にかけてが一番寒いと言われますが、この冬は比較的暖冬でしょうか。それでも朝と晩はだいぶ冷えますので、皆さんの日々のご健康が守られ、健康の弱さの中にある方々が支えられますようにと祈ります。

皆さんがニュースなどですでにご存知のように、日本も含めていくつかの国では新型ウイルスによる肺炎が流行しており、世界的に拡大し、日ごとに感染者数や亡くなる方々が増えているようです。2月と言えば、「風邪」(かぜ)と「風」(かぜ)をイメージします。特に故郷の群馬県で冬に見られる北西風は「上州のからっ風」として有名で、「赤城おろし」とも呼ばれます。かつて赤城山の「すそ野」である旧・大胡町(現在は前橋市)に住んでおりましたから、風と共に生活してきました。特に調べますと「からっ風」は、山を越える際に温度、気圧ともに下がることで空気中の水蒸気が雨や雪となって山に降るため、山を越えてきた風は非常に乾燥した状態となるようです。

聖書にも「風」は出てきます。ある時イエス・キリストが、舟に乗ったあと、弟子たちも乗り込みました。しかしまもなく湖に大暴風が起こったのです。「ガリラヤ湖」と呼ばれ、周辺の地理的な条件のために、しばしば大きな嵐があったようです。舟は大きな波をかぶりましたが、イエス様は舟で眠っておられました。このような状況では、弟子たちは当然心配しました。恐れを抱いたので、イエス様を起こして「助けてください。おぼれそうです。」と言いました。そして続けて聖書には次のように書かれています。

イエスは言われた。「どうして怖がるのか、信仰の薄い者たち。」それから起き上がり、風と湖を叱りつけられた。すると、すっかり凪(なぎ)になった。人々は驚いて言った。「風や湖までが言うことを聞くとは、いったいこの方はどういう方なのだろうか。」 (マタイの福音書8章26-27節)

大きな嵐はイエス・キリストのことばによって静まりました。それはイエス・キリストに魔術的な力、神秘的な力があったということではなく、イエス・キリストは自然現象や自然の法則さえも支配しておられる方であることを証明しています。「そんなことはあり得ない」「信じられない」と思うのが普通かもしれません。しかし私たちが「普通」と考える以上のことをなさるのが、神様であり、救い主イエス・キリストです。私たちは自分がこれまで経験してきたこと、知っていることを基準として物事をとらえ、判断してします。当然と言えば当然です。

しかし、私たち人間の理解や常識をはるかに超えて、神様はさまざまなことをしてくださいましたし、何よりも、神様ご自身の愛を人間に注いでくださいました。「愛」とは何でしょうか。愛をテーマにした本や歌はありふれています。それはやはり、人間の愛なのです。その一方で聖書の最大のテーマは私たち人間に対する「神の愛」です。それは犠牲的な愛であり、一方的な無条件の愛であり、イエス・キリストの十字架の身代わりの死と復活によって、その愛がはっきりと目に見える形で明らかにされました(ローマ5章8節)。

今、人類が知り、受け入れなければならないのは、神様のその愛です。神様の愛を知り、受け取るならば、そして神様の愛に生かされていくならば、どれだけ社会が、世界が変わっていくことでしょうか。その愛が具体的にどのようなものであるのかは、聖書を読めば読むほど、分かってきます。聖書は、「理解しにくい」とか「難しい」という印象もありますし、「あまり関心がない」という方もおられるでしょう。その一方で、「ぜひ聖書を読んでみたい」「聖書のことばに少しは関心がある」という方もおられます。どちらの方々も、聖書そのものを読むことによって神様の愛を知り、教会での礼拝や集会を通して、神様の愛を深く体験することができるのです。

ぜひ、神様の素晴らしい愛を知っていただきたく、聖書そのものを読んでくださること、教会の礼拝や集会に来てくださることを心からお勧めいたします。どうぞ、神様の祝福と恵みと平安が豊かにありますようにお祈りいたします。